Nakazawa Specialist 中沢のひとびと詳細

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明るくおおらかな、中沢のひとびと

中沢に暮らすひとびとの横顔をご紹介します。

小島 利昭さん(88歳)

天竜かっぱ村村長

 去る4月17日、「駒ヶ根天竜かっぱ村開村28周年、かっぱ神社創建15周年記念祝賀会」が駒ヶ根市で開催されました。千葉、静岡、埼玉など各地の「かっぱ村」から仲間達が集まり、安全祈願祭も行われました。そこで今回は、天竜かっぱ村村長の小島利昭さん(88歳)をご紹介します。中沢(中割)で生まれ育った小島さん(下平在住)は、市役所を退職後、持ち前の行動力と広い人脈を生かして「河童を主役に地域おこしをしよう」とユニークな活動を続けてきました。
○そもそも‵かっぱ村′って?
 昭和63年、『熊本県八代市に九州河童共和国が誕生』というニュースをたまたま目にした小島さんは、『河童伝説のある、ここ駒ヶ根にも‵かっぱ村′をつくろう!』と思い立ち、婦人会に声をかけるなどして準備を始めました。そして平成2年10月17日に50余人の仲間たちと‵天竜かっぱ村′を立ち上げました。かっぱ村の条例には「ロマンとユーモアに富んだ河童心をもつ村民からなり、遊び心を発揮し、河童文化の発展を図るとともに自然を愛し、村民相互の親睦を図ることを目的とする。」とあります。皆とわいわい楽しみながら、ふるさとの将来に思いを馳せ、天竜川流域の清掃や、河川の外来植物駆除活動にも取り組んできました。日本各地の‵かっぱ村′で毎年開催される河童サミットにも精力的に参加し交流を続けてきました。
○竜東に伝わる河童伝説
 私達が住むここ竜東地区に河童の伝説があるのをご存知でしょうか?『高遠藩川奉行だった中村新六が、寛政年間に大久保城址の底部に隧道を開削し、新六島5町歩(現在の駒見大橋近く、かっぱ神社のあたり)の墾田をした。1789年春の大雨で天竜川の流れが変わり、河童の住む「下がり松」とよばれる淵の水が枯れてしまった。困り果てた河童は、新六の馬の尻尾につかまり助けを求め、そのお礼に痛風の薬の作り方を教えたという。中村家(東伊那)では、河童の妙薬として「痛風の薬加減湯」を製造、昭和の初期まで全国に向け販売していた。』『昔、中沢菅沼の下間川下流にかつら淵と呼ばれる淵があって、河童が棲んでいた。川に遊びにくる子どもたちの「シンノコ」を抜くので、子どもたちは怖がってだんだん近寄らなくなってしまった。河童は淵の奥へ隠れようと下がるうちに、岩が二つに割れて中に入ってしまった。それ以来、河童は淵に姿を見せなくなった。』…なんだか河童に親しみを感じますね。
○天竜ふるさと祭り
 昭和63年8月30日、現在の天竜大橋が完成し、竣工式が行われることになりました。それまでは一方通行の小さな橋だったので天竜大橋の竣工は、中沢にとって意義のあることでした。小島さんは、「こんな時には盛大にお祝いしんと(しないと)。中沢でも何かお祭りをやろう、花火を上げよう。」と8月5日に当時の中沢総合開発委員会に提案。すぐに寄付金集めを開始しました。2軒の花火屋さんの協力をいただき打ち上げ手続きを依頼、一方開発委員会では食べ物や飲み物の販売方法を模索し、踊りやカラオケ大会といった余興も分館協力のもとに企画するなど、短期間で準備を進めました。「こんないい所なら尺玉も上げられる。」と、花火屋さんが尺玉を寄付して下さることになり、東伊那、下平からも応援してくれる人が出てきて、当日は大盛況となったそうです。「竜東地区で初めてのお祭りだったから、物珍しさもあったし、みんなそういうものに飢えとったんだね。(仕入れた)お酒なんてあっという間に売り切れちゃって、そこら中の酒屋さんをかけずり回って、集めてきたんだよ。」こうして始まった天竜ふるさと祭りは、天竜かっぱ祭りとして現在も続いています。
○天竜リバーランド構想
 平成2年から建設省、長野県、駒ヶ根市の三者が一体となり、『河童と遊ぼう天竜川』をテーマにリバーランド天竜川整備事業に着工し、天竜川護岸や周辺一帯の整備が行われました。その中で、駒ヶ根の河童伝説を活かすためにも〈河童伝授の妙薬「痛風の薬加減湯」製造部屋を天竜大橋のたもとに再現したい〉という思いが、平成5年、おもしろかっぱ館建設となって実現しました。そこで河童の妙薬を製造していた中村家のおばあさんに1年がかりで協力をお願いしました。最後には、おばあさんが「家の財産のお嫁入りだ」と紋付羽織を着て、大切な資料を提供して下さったのだそうです。さらに、おもしろかっぱ館開館特別展開催のために、静岡や銚子の方から河童グッズを借りてきたり、今は亡き奥様と一緒に、遠くは山形や米沢まで資料収集に足を運んだりしました。
それにしても、全国各地に河童の伝説があり、河童に愛着を持っている人々がたくさんいるそうです。そうして、河童がきっかけとなり、日本中を歩き回る中で「ロマン、ユーモア、夢」にあふれた人々と出会い、交流を深めてきました。(日本各地の)‵かっぱ村′の性格はそれぞれ違っても、集まって話をすると、根は同じ日本人だなあということを感じたそうです。そうした交流は、現在に至るまで続いています。
○かっぱ神社を作ろう
 河童の里づくりへの思いは広がり、市内あちこちに河童の石像安置、天竜かっぱ村の歌「みんなおいでよかっぱ村」の制作、かっぱ踊り完成など、さまざまな活動を精力的に続けてきました。そして平成14年、村民有志による「かっぱ神社」の創建に至ります。天竜川河畔、河童伝承の地、「下がり松の淵」あたりに、川辺に遊ぶ子供らを水の禍いから守るために、小さな社を建て河童を祀りました。愛嬌のある洟垂れ河童の石像や大願成就の河童などが鎮座しており、かつて河童が棲んでいたというその地で、河童の姿を想像しながらお参りするのは楽しいものです。かっぱ神社は天竜かっぱ村のよりどころともなっており、周辺にはかっぱ親水公園も整備されています。お勧めの散策スポットです。
○まだまだやりたいことがある
 ふるさと中沢への思いは強く、大曽倉地区の市有林を(赤穂地区の)十二支天の森のような、人々の憩いの場として整備する計画の実現を祈っているそうです。ここには池があり、ミヤマツツジやミズナラ、ヤマザクラ、山もみじなどの木々があり、恵まれた自然環境があります。こぶしの群生地、木下家住宅とともに、人々が足を運ぶような場所になれば…と思っているそうです。
 また、おもしろかっぱ館が人の集う拠点となるような場所になれば…と、まだまだ夢は膨らみます。これからも、河童伝説を広め親しまれるように頑張りたいという小島さん。5月28日にはおもしろかっぱ館で、歴史講座の講師も務められるそうです。(AS,FK)
 

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20160510小島 利昭さん(88歳)
 去る4月17日、「駒ヶ根天竜かっぱ村開村28周年、かっぱ神社創建15周年記念祝賀会」が駒ヶ根市で開催さ...
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20150904古谷 和男さん、葉子さんご夫妻
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